自分の2エーカーを見つける

 

<自分の2エーカーを見つける>

 

今年後半、オーストラリアのパーマカルチャーの講義DVDを、文字起こしから日本語訳までさせてもらい、
仲間とシェアして学びを深めるという、素晴らしい機会に恵まれました。

その中で、特に印象に残ったことを、今年最後の投稿としてシェアしたいと思います。

 

それは <自分の2エーカーを見つける> ということ。

 

古代の熱帯地域では、だいたい同じ面積(2エーカー)、同じシステムで、
持続可能な農業が行われていたそうです。

アフリカ、アジア、南米の熱帯間で、情報交換手段のない時代に、
ほぼ同じ面積だったというのです。

 

そのシステムでは、村を中心として外円状に農業をするわけですが、
最初の2エーカーで作物を収穫し、肥沃でなくなると、隣の2エーカーに移動します。
耕地を少しづつ移動させて、村の周りを回り続けました。

10年から15年間は同じ場所に戻ってくることはありませんでした。

 

効率化や高収益化が基本の資本主義なら、時短や規模拡大を試みるでしょう。

 

時短は可能でしょうか?

10年かけず早く戻ってきても、土地は十分に肥えていません。
回復を待つ広大なエリアが残るだけです。肥沃な土地にはすぐには戻れないのです。

 

規模拡大はどうでしょう?

3エーカー、4エーカー、5エーカーにすると、エッジの関係性がより小さくなります。
小さすぎると日陰になり、大きすぎるとエッジ効果がなくなります。

(エッジ効果=異なる環境の縁と縁が接する部分で、豊かな生態系が形成され多様性が深まる。)
つまり、規模を大きくしても、収穫量は少なくなっているわけです。

 

時短をしても、規模を拡大しても、2エーカーの持つ肥沃さと収穫量は超えられないということを、
熱帯地域の人々は、共通して心得ていたということでした。


 

 

 

そんな流れから、

自分にとっての2エーカーってなんだろう?と。

 

自分の仕事、自分の人生、自分の居場所での、自分にとっての2エーカー。

ストレスのないペース、幸せなバランスの取れた毎日が自然に生まれている、自分にとっての2エーカー。

 

飛び出したり、こもったりしないと、自分の2エーカーは分からないかもしれません。

 

チャレンジして、冒険して、また戻って、じっとして、観察して、またトライして、こもって、を繰り返す。

そうやってエッジを出たり入ったりすることで、自分の2エーカーが見えてくる。

 

特にここ数年は、ペースも落ち、サイズも小さくなりました。
もがいたり、あがいたり、試したり、を繰り返しました。
自分の2エーカーを見つけるプロセスだったのかもしれないな、と思います。

 

なんの無理もなく自然と恵まれている!と発見できたなら、

自分にとってのバランスの良いサイズ、2エーカーを見つけられたのかもしれません。

 

 

今年も、自分の2エーカーで、健やかに衣食住に恵まれて、
みなさんという多様性に囲まれて暮らせたこと、感謝しかありません。

 

来年も引き続き、出たり入ったりして
自分の2エーカーを見つめていきます。
お付き合いいただければ、嬉しいです。

 

よいお年をお迎えください。